「ダンサーインザダーク」「ニンフォマニアック」の
ラース・フォン・トリアー監督作品。
ポスターとロゴに惹かれて鑑賞。
彼のアーティスティックな世界観。
芸術、心理、宗教、文化、概念などを語り合う、
相手を通して過去を振り返る方法が興味深い。
インタビューのような会話を通して、回想して行く方式は、
グザヴィエドラン監督作品にも似ていて、
内容は全然違うけどポエムのような感覚もある。
建築家だから、こういう知識があるっていうのも
すごく納得で、ただ無造作に殺していくんじゃなくて、
自分なりのルールとか世界観がちゃんとあることで、
不思議と映画としての見応えを感じる。
終始音が静かで、環境音もほぼ聞こえなくて、
会話や息しか聞こえないのがなぜか奇妙で…
合間にはいる音楽も効果的で独特だった。
とんでもなくサイコパスなストーリーだけど、
怖いというよりも、もはや笑ってしまう残酷さ。
ラストは別ストーリー並みのギャップがあった。
けどこういう精神世界的な終わり方、嫌いではない。
映像の自然光や写真のネガをうまく組み込んでいて、
特に少年時代の草刈りのシーンは美しい。
色々な偶然が重なっているのも不思議な作品。
ちゃんと最後の最後まで伏線を楽しめる作品。
一回見ると知識がふえてもう一度頭に入れてから見たくなる。
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