ディア・エヴァン・ハンセン

この世界で自分の居場所を探したり、
時には孤独を感じたり、
誰もが体験したことのあるような、
複雑な心情が歌に乗せて描かれる。

どんな生き方にも答えなんてなくて、
悩みを抱える全ての人の視点から見ることができる映画。

ありのままの自分でいるか、それとも、
目の前にある理想へ近づくため偽りの自分でいるか。
自身への“葛藤“がとてもストレートに描かれていて、
日々は選択の連続だなと改めて実感。

様々な想いを抱きながら、安心できる場所を求め、
出会いを探している自分もきっといる。

登場人物と共に悩み苦しみ、
もやもやしてしまう部分もある。
全てに共感できる人もいれば、
そうじゃない人もいると思う。

自分が主人公の立場だったら、
友達や彼女の立場だったらどうするだろうと、
様々な立場から見れるストーリーであり、
自分と違う視点からも物事を見れるので、
そこも含めてリアルな人物描写を感じた。

否定や肯定よりも、相手や自分を受け入れることを、
大切に描いているんだろうなというのも伝わってきて、
悲しみや苦しみを抱擁してくれる優しさもある。

BW版でも主人公エヴァンを演じた、
ベンプラットの声がすごくきれいで心地良く、
ジュリアンムーア演じるハイディが最後に歌う曲は、
愛に溢れていて全身が暖かさに包まる感覚に。
マーフィー家が歌うrequiemはそれぞれの、
行き場のない想いが重なり合ってメロディとなり、
そしてメイン曲“ You will be found “では、
全ての人の想いを代弁するような歌詞であり、
物語の最初から最後までを繋いでくれている。

ミュージカルとしてのエンターテイメント性もあり、
見たらきっとお気に入りの曲も見つかるはず。

悲しさ、嬉しさ、様々な気持ちを、
誰かと分かち合いたい時に見てほしい作品。

コメント