フランス風カフェでの試写会。
会場と作品がマッチしていく一体感。
今作のテーマである“体験型“を全身で味わえた。
タイムトラベルサービスにリアリズムを求めてしまう主人公。
このシステムは、映画を虚構の世界だと知っていても、
感動したり、日常と照らし合わせたりしてしまう、
私たち観客と同じ感覚だと思った。
再現されていく過去により、現在の人生に影響を与え、
自身が変化していくという不思議な出来事。
虚構の世界と現実を行き交うような感覚がある。
ノスタルジーを通して今を見直すことは、
現代を生きる人々のテーマでもありながら、
過去に縋る、昔をよく思う気持ちは
いつの時代も、共通のテーマ。
舞台、小説、アニメの世界では表現できない
映画ならではの演出も多々あり、
これぞ映像媒体である 映画の本質!
見方によってはドキュメンタリーに見えたり、
またはファンタジーのようなフィクションに見えたり。
日本版タイトルにあるベル・エポックで“もう一度“ならぬ
2.3度繰り返される場面の対比も良かった。
そして何より製作側の視点、観客側の視点が
しっかり組み込まれている。そこが今作の見どころ!
映画の多くは、どちらかに焦点を当てて描くのに、
今作は両方の心理描写が複雑に入り混ざり合っていて
そこを行ったり来たりするのも楽しかった。
イラストにも描いたヒロインの女性にキュン。
音楽、美術もとにかく最高で、
このユーモアのある世界観の全てがすき。
ミッドナイトインパリ、トゥルーマン・ショー、
最近見た、SNS少女たちの10日間の要素も感じた。
新しいものを一から作るというより、
元々あるものの視点を変えて、今までにないな〜
という見え方を生み出す方法に一本取られた!
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